【イベントレポート】誰も知らない一番多い痛みの原因に迫る、目からうろこの痛くないセックス講座

2021年2月10日(水)の夜、ふあんふりーが主催する初めてのオンライントークイベントを20~30代向けに行いました。

性交痛というと潤い不足と思われがちですが、若い世代で濡れているのに痛いと悩む方が少なくありません。婦人科の診察で何でもなかった時に「コンドームかも」「体位かな」「緊張しているせいかな」と悩む方に向けて、ふあんふりー記事の監修者としてお馴染みのラブライフアドバイザーのOliviAさん、公認心理師の潮英子さんに監修した記事を取り上げながら、記事では書ききれなかったこぼれ話や、記事の内容に関連した様々なお話とからだに問題がないとき、どんな回避策、解決方法があるのか、おふたりに聞きました。

セックスの問題はふたりで解決するもの
編集長・こばやしの感想①

ふあんふりーの監修を引き受けてくださっているOliviAさんと潮さんは、知り合って10年近くなります。長い年月彼女たちの活動を拝見させて頂き感じていたのは、当事者に寄り添い実践的な活動をされているという共通点です。今回のイベントでは、記事に書ききれなかった彼女たちならではの、大切なポイントが20~30代の方向けに盛り込まれていました。

ふたりで認識を揃えて話し合おう

OliviAさんのお話では、実際のカウンセリングで、どんなことをされているのか、そして記事にどんな風に活かされているのか聞けました。若い世代に限らず、セックスのことを話し合うのは、心理的に難しいものです。印象に残ったのが、考え方のリセットという提案。「二人で性生活が上手くいっていること、性行為がうまくいっていることが大事だよね。二人の関係を維持するのに大事だから、一緒に考えようね」とマインドを揃えることからスタートすること。できるだけ楽しい性生活を送りたいと願っているのは二人とも同じという認識があれば、お互いに向き合って話し合えそうだと感じました。

セックスの問題は一緒に克服しよう

また、別の質問の回答では、こうもおっしゃっていました「セックスは二人ですること、痛ければ二人の問題、課題であり、一緒に克服すること」。今回のように婦人科で問題がない若い世代の性交痛は、主にセックスのテクニカルな問題、自分たちの体の知識などが深く関係していることが多いのです。こういう風に二人の問題と専門家の口から言われる事で、そうか二人で克服するものなんだという共通認識が持て、痛くならないセックスを考え行動することにつながるのではと気づかされました。

「セックスが痛い・怖い」の克服にも有効なカウンセリング
編集長・こばやしの感想②

潮さんのお話では、世の中一般的にセックスのことでカウンセリングに行こうとはならない中でも、潮さんのところに辿りついた方々が、やはり克服されて幸せになっている印象でした。カウンセリングの一番の利点は、自分ひとりで考えて分からなかった原因が浮かび上がることだそうです。確かに痛い人たちは、私も含めあれこれ検索したり、まわりから情報を集めたりして、なんとかしようと努力しています。それでも原因がわからないと同じ場所にいつまでも立っているなんてことは珍しくないことです。専門の心理カウンセラーを頼るということは、その知識をもって真の原因を引き出してくれるのだと思います。

カウンセリングで紐解くと意外な原因が分かる

潮さんの語る事例では、セックスができないのは性嫌悪症だからと思いこんでいた方が、紐解いていくうちに自分の裸にコンプレックスを感じているからだと気づくことができ、段階を追った訓練で払拭させていくというお話が紹介されました。私たちは、きっとこれが原因かもと心の中で思いこんでいることがあります。しかし実はそれが間違いかもしれないと気づかされました。これは、ふあんふりーの事例コーナーでも感じることなんですが、事例記事の前半で「この人の問題は、きっとこうじゃないかな」と想定して読み進めると、後半で意外なことが原因だと分かったりするのです。ケースバイケースだとは思うのですが、痛みのある人が考える原因と実際の原因に違いがあるんだなとわかり、これは自力で解決は難しいとつくづく感じました。

カウンセリングはトラウマの克服にも有効

また過去のトラウマについても言及されていました。ふあんふりーを立ち上げた理由のひとつに、トラウマでおきる性交痛に悩む方の力になりたいということがあります。潮さんのお話を前のめりになり聞き入りました。過去のトラウマに向き合うことはつらく大変なことだけど、安心して話せる場で、カウンセラーに話せることで、「トラウマが起きた過去」と「今」の区別ができるようになり、気持ちが整理され消えていくことがあるそうです。つらいまま胸にしまっていた過去のトラウマを切り離せると人生そのものが自由になれそうでした。

またのイベントの機会もお楽しみに

後半は、更にOliviAさんから、角度の工夫の仕方など目からうろこのアイディアが出てきましたので、別のコラムで多くの皆さんにご紹介できればと思います。
私の感想は、イベントのほんの一部。性交痛を解決できそうなヒントが盛りだくさんでした。ご参加して下さった皆さん、ありがとうございました。今回参加できなかった皆さんも、次回を楽しみにしていてください。

実践的な内容でとても分かりやすい
ディレクター・柳田の感想

今回のイベントにはモデレーター(司会)として参加し、ふあんふりー監修者のOliviAさんと潮さんに様々な質問をさせてもらいました。おふたりそれぞれの視点からの回答が実践的でとても分かりやすく、性交痛に悩んでいる方々にとってもとても心強いものになったものと思います。

セックスの手前にコミュニケーションあり

OliviAさんは「セックスの課題はふたりの課題なので、ふたりで克服していくことが大事」だと言います。そのためには「ふたりで話し合うことが必要」だとも言っていました。

本当に、ここに尽きる!と思いながらお話を聴いていました。

セックスのテクニックも大事ですし、性反応などの知識も大事です。でも、そうしたテクニックや知識を活かせるのか、活かしていいセックスができるのかは、当事者間のコミュニケーションにかかっていると思うのです。どんなに優れたテクニックやきちんとした知識を持っていても「相手はどう感じるか」という視点が無ければ、活かしきることはできません。

テクニックの話だけでなく、それを活かすためのコミュニケーションの大事さにも直球で触れてくれたことにとても嬉しくなりました。

カウンセリングのハードルを下げたい

潮さんのお話から、カウンセリングに対するハードルがまだまだ高いことを感じました。一方で、カウンセリングにちゃんとたどり着いた人たちはきちんとセックスの課題を克服しているというお話もありました。

たぶん、「精神科」や「心理カウンセリング」は「何となくかかりづらい」もののひとつだと思うのですが、先入観を捨てて、「課題を解決するための手段」と認識をしてかかってもらえたら、拓けるものがあるだろうと思います。

潮さんがご紹介されていた「性嫌悪だと思っていたらボディイメージへの不安でセックスができなかった」人の例から分かる通り、自分だけの思い込みでは解決できないことも、カウンセラーが一緒に考えてくれることで解決にたどり着く悩みはたくさんあるのだと思います。

カウンセリングへのハードルが下がって、人知れず独りで悩む人が相談に行き、人生が少しでも好転してくれたらいいなと思いながら、お話を聴きました。

アンケートにも嬉しいお声が

イベントの申込は40名近い方々にいただき、多くの方が視聴してくださったようです。終了後に実施した視聴者アンケートにも概ね良い感想が寄せられており、とても心強かったです。

今後またオンラインイベントを実施します。みなさま、お楽しみに!

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ふあんふりー編集部
ふあんふりー編集部FuanFree
WHOなどの国際機関が定める「性の健康」の概念に着目し、私たちの編集部は「痛みのない、喜びのある性生活のためにー」をモットーに掲げています。総医療監修の医師をはじめ各方面の専門家との協力を通じて、性交痛に関する信頼性の高い情報を提供しています。私たちは性の健康に対する理解を深め、読者が充実した性生活を享受できるよう、包括的で専門的なコンテンツをお届けしています。