性交痛 原因・回避・治療・相談 完全ガイド

性交痛の原因は様々、回避策も様々

性交痛は閉経を迎えた年代の潤い不足が原因であり、潤滑ゼリーを用いることで緩和できる、ということが一般的には知られています。他方で、閉経を迎える前の年代も様々な原因で性交痛を経験します。この記事で原因と対処法を紹介していきます。ご自身やパートナーの痛みを考える際の参考にしてみてください。なお、このサイトでは、医学的用語としての性交痛以外にも、性交時に出る痛み全般を広く性交痛と呼んでいます。

1.性交痛は様々な原因で年代を問わず起こる

ふあんふりーでは、痛みがどういった場面や原因で出るのかについて「痛みのカテゴリー」として分類して紹介しています。

1.1閉経以降の潤い不足による性交痛

まず一般的にも知られている「閉経以降の潤い不足による痛み」ですが、閉経が近づき女性ホルモン「エストロゲン」が減少することで粘膜の潤いが不足するために起こると考えられています。

この場合は、HRT(ホルモン補充療法)やエストロゲンの腟剤や外用薬の処方などによる治療ができます。また、セックスの場面では、潤滑剤を使う、挿入にこだわらないセックスを楽しむなど、できることがありそうです。

詳しくは更年期・閉経以降の記事にまとめています。

1.2婦人科系疾患やがんの手術後に表れる性交痛

性交痛と婦人科疾患の関係も見過ごすことはできません。卵巣がんなどで卵巣を摘出すると、年齢が若くても更年期・閉経以降のような潤い不足になり、性交痛が出やすくなります。また、子宮頸がんは病状によっては腟壁を広く切り取ることもあるため術後に腟が短くなります。すると、術前には痛くなかった深い挿入が術後に痛く感じることもあります。ほかにも、子宮筋腫、卵巣嚢腫などでは卵巣や子宮等の摘出は行われなかったとしても手術や術後の治療による身体へのダメージや違和感のため、セックスに集中しにくくなることがあります。性交痛と婦人科系のがん手術の関係はあまり知られていませんが深いのです。

HRT(ホルモン補充療法)やエストロゲンの腟剤、外用薬などを処方してもらう、セックスの時は潤滑剤を使用する、パートナーにも協力してもらい深い挿入を避けて浅く挿入できる体位でセックスをする、といった対処法があります。

詳しくは婦人科疾患・がんの記事にまとめています。

1.3産後にも性交痛を感じる場合がある

産後、授乳も落ち着いてセックスを再開しようかと思う瞬間があると思いますが、以前は感じなかった痛みを感じる人もいるかもしれません。全然おかしいことではありません。授乳中のため潤いが不足している、出産の時の会陰切開・裂傷が関係して痛い・出産時の痛みの経験で心理的な恐怖を感じているなど、いくつかの要因が考えられます。

潤いが不足しているのなら潤滑剤を使用することで潤いを補うという考え方があります。会陰の傷が痛む場合には主治医に相談してみることをおすすめします。半年以上痛みが回復しない場合にはセカンドオピニオンを取ってみるといいかもしれません。また、心理的な恐怖に対しては心理カウンセラーに相談したり、無理をせずできることから少しずつ始めていくことも有効です。

詳しくは産後の記事にまとめています。

1.4身体の構造上の理由で性交痛が出ることも

人が10人いれば10人とも顔が違うように、性器の形状も十人十色です。性器のもともとの形状や構造が原因で性交痛が出る場合もあります。例えば、処女膜強靭症、処女膜閉鎖症、腟中隔といったものが挙げられます。手術によって改善できるものもあるので、こちらの記事を参考にして、医療機関に相談してみてほしいと思います。また、痛みの恐怖から解放されるための心のケアが必要な場合もあるかもしれません。

上記で挙げた症状以外も含め、詳しくは構造的な症状の記事にまとめています。

1.5実は心理的な原因も関係する性交痛がある

潤い不足や性器の構造など、身体的な理由だけが性交痛の原因とは限りません。心理的な理由で性交痛が出る場合もあるのです。「セックスが怖い」「パートナーのことは好きだけど、セックスだけができない」そんなふうに訴える女性もいます。

恐怖心・過緊張・罪悪感・過去の経験といったものを抱えていることでセックスが怖いと感じたり、セックスに対する不安感・パートナーとの関係性・性欲の相性などが原因でパートナーとのセックスを嫌だと感じる。実際にそういった相談もセックスカウンセラーのもとに寄せられるようです。

身体的な原因による性交痛ではない場合、心理カウンセリングを受けることで痛みの症状が改善する可能性もあります。こちらの記事を参考にして心理カウンセリングを受けてみるのもいいかもしれません。

心が原因の性交痛については こころ セックスが怖い(気持ち編)の記事でまとめています。

1.6パートナーの性交痛に悩む男性へのアドバイス

性交痛のことで悩むのは女性本人だけではないでしょう。男性も、自分がしていることでパートナーが痛がっているという罪悪感に苛まれている人は多くいます。ふあんふりーの相談フォームにも実際にそういった相談が寄せられています。

身体の構造が違うため、男性は女性の痛みを身を持って理解することがなかなかできません。ですが、知識としていくつかのことを知るだけで、大きな変化を生むことができます。

たとえば、ペニスのサイズが大きいためにパートナーが痛みを感じることもあり、こういう場合は深い挿入をせず、ゆっくりと浅い挿入を心がけることが有効です。また、挿入角度や挿入のタイミングによって性交痛が軽減/解消する場合もあります。

パートナーの性交痛に悩む男性に読んでほしい情報は、男性パートナーの皆さんへという記事にまとめました。

2.性交痛の回避/解決策も様々にある

性交痛の悩みがあるならば、何よりも無理をしないことが大事です。「セックスはもっと気持ちいいはずで、楽しめない自分はダメだ」「彼を満足させられない自分はよくない」そういった考えは不要です。無理をせずできることをする、パートナーともよく話す、挿入にこだわらないセックスをするなど、できることは色々あります。他にももう少し具体的に、できることを見てみましょう。

2.1浅い挿入を心がける

挿入時に奥のほうが痛む人や、手術後で奥のほうに触れることに不安がある人に有効なのが「浅い挿入」です。パートナーである男性の理解と協力が必要ですが、挿入時に奥のほうに感じる痛みへの対策としてはとても効果があります。

浅く挿入できる体位の詳細についてはプロに聞く!性交痛を回避する体位の工夫の記事にまとめました。

また、具体的な5つの体位については浅く挿入できる体位の記事に、ストッパー正常位、たすきがけ(脚絡み正常位)、添い寝バック、敷き小股(うつ伏せバック)、スローインサート騎乗位と、試しやすい順に図入りで紹介しています。

2.2潤い不足による性交痛には潤滑剤を

腟の潤いが不足して性交痛が出る場合には潤滑剤が有効です。ここでいう潤滑剤とよく似たものに、男性のマスターベーションの時やボディに塗ってヌメリを楽しむ時に用いるアダルトローションがあります。潤滑剤とアダルトローションの違い、知っていますか?保湿成分中心のタイプを選ぶ、優先順位を見極めるなど、独自の視点で間違いのない選び方と使用方法を、潤滑剤の選び方の記事で紹介しています。

2.3選んで病院に行く

ふあんふりーは、病院で診察を受けることを強く推奨しています。病院で診てもらっても原因が分からない、診てもらった結果、長らく性交痛と付き合わないといけないようだ、といった方々への情報発信を主眼としています。

性交時に痛みが出ることの背景には何か婦人科系の病気が隠れている可能性がありますので、ぜひ一度は病院で診てもらってほしいと思います(また、性交痛があっても無くても、身体のメンテナンスのために定期的に婦人科に通うこともお勧めしたいと思います)。

とはいえ、「性交痛ってどの病院で診てもらえばいいの?」「え、婦人科の病院なんてどこも一緒でしょ?」そんなふうに思っている方もきっといますよね。

実は、性交痛を診てもらえる病院の探し方にもちょっとしたコツがあるんです。「性交痛」が診療内容に含まれていることを確認する、病院や医師との相性、などを挙げることができます。残念なことに、婦人科の病院だからどこでも同じというわけではないのです。だから、「近所だから」「お産でお世話になったから」「学校や自宅から遠くて誰にも気づかれないから」といった視点で病院を選ぶのではなく、ポイントを見極めて病院探しをしてほしいと思います。

詳しくは病院の探し方の記事にまとめました。

2.4心理カウンセリングも有効に使う

まだまだ知られていませんが、心理的な原因で性交痛が出ることもあります。婦人科で検査しても身体的に痛い理由が見つからない。身体的な治療は完治しているのにセックスの痛みがよくならない。そんな時にはカウンセリングを活用するという手があります。

カウンセリングを受けるにはまずカウンセラーを探さなければなりません。インターネットで「性交痛 カウンセリング 東京(通える地域)」と検索してみてください。カウンセラーは経験年数が長く、性交痛以外にも幅広い主訴(症状)を扱っていることがポイントです。セックスの悩みはセックスだけに留まらないことが多いからです。

カウンセリングは1回50分~60分に設定されていることが多いようです。何を話すか、話さないでおくかは自由ですが、事前に経緯を時系列に書き出し、それに沿って話すと、有効に時間を使え、カウンセラーにも伝わりやすいです。

詳しくは心理カウンセリングの受け方の記事にまとめました。

3.性交痛に独りで悩まないで

セックスで痛い思いをする性交痛は、QOL(の低下)には関わっても命に関わるものではないため、理解や治療法を含む対処方法の確立がなかなか進まない分野です。そのため人知れず独りで悩んでいる当事者も多くいます。

ふあんふりーでは、性交痛は健康問題であると考えています。人知れず独りで悩んで傷ついている性交痛の当事者の方やそのパートナーに、「あなたは悪くない」「性交痛は健康問題なんだ」と伝えたい。そんな想いでふあんふりーは情報を発信しています。

3.1悩みの事例

性交痛に悩む人の実際の事例を紹介しています。複数の事例の「悩みの内容」「プロが提案した改善策」「その後の経過」が分かります。似た悩みがあるかもしれませんし、似た悩みがなくとも性交痛に悩む人が自分だけではないことが分かり少し勇気をもらえるかもしれません。

お悩みの事例はこちらにまとまっています。

3.2専門家の声

様々な原因があるからこそ、様々な解決や付き合い方のアプローチが存在する性交痛。様々な分野のプロフェッショナルが、性交痛の解決のために専門家としてのそれぞれの視点から情報提供をしてくれています。

具体的な記事はこちらにまとまっています。

3.3質問・相談をしたい

ふあんふりーにはお悩み投稿用のフォームが設置されています。開設からわずか数か月で多くの相談や質問が寄せられました。必ずしもすべての相談に答えられるわけではありませんが、相談内容を選んだうえで監修者のみなさんとともに記事の中でお答えしていきたいと思います。例えばこの記事のようにです。病院に行っても分からない、記事を読んでも解決しないことは、お悩み投稿用のフォームからお寄せください。

お悩み投稿用のフォームはこちらです。

4.性交痛は健康問題

性交痛には様々な原因があります。そして解決策や対処法も様々にあります。自分の性交痛の原因は何なのかを知り、それに合わせて対策していくことが大事です。そのためにこのガイド記事を役立てていただけたら嬉しく思います。性交痛は恥ずかしいことではなく、健康問題です。自分を卑下して傷つけることなく、堂々と治療や対処をしていくのがいいでしょう。ふあんふりーも応援しています。