心理カウンセリングの受け方

こころが原因の性交痛もある

婦人科で検査しても、特に身体的に痛い理由が見つからない、
身体的な治療は完治しているのに、一向にセックスの痛みがよくならい。

もしかすると、それはこころに原因があるのかもしれません。

こころの原因には、パートナーとの関係性、家庭環境、家族との関係、虐待の既往、性被害のトラウマ、宗教、道徳観などが考えられます。
子供の頃に性について厳格に育った場合は、当たり前としている性に対する感覚が性交痛の原因となっていると、なかなか認識しづらいこともあります。
挿入自体に恐怖がある場合もあるなど、実に様々なのです。

専門家に相談したい、どうすればいいの?

 

「セックスカウンセリングをうけてみたい」
そう思ったとしても、知らないことだらけでハードルが高いと思う人は少なくありません。

「セックスの話を聞いてくれる専門家はどうやって探せばいいの?」
「プライバシーは守ってくれるの?」
「何から話せばいいの?」「何回ぐらいでよくなるの?」
そんな疑問があり、最初の一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。れらの疑問について、専門家に聞いてみます。

解説する専門家

公認心理師 潮英子さん
長年、セックスレスやセックスについてのカウンセリングを行い、著書に「50代からのhow to SEX」(光文社)がある。

心理カウンセリングにたどり着くまで

まずは、前提として心理カウンセリングにたどり着く前に、ひとつひとつ原因をつぶしていくのが、近道です。からだに異常がなく、体調も悪くなければ心理カウンセリングということになります。

ステップ1

産婦人科で身体的な性交痛の原因を検査してもらう
異常がなければ

ステップ2

もし、体調不良(不眠、食欲減、吐き気など)が続いていたら心療内科か精神科
体調が落ち着いたら

ステップ3

心理カウンセリング

専門家が教えるカウンセリングの詳細

精神科、心療内科、心理カウンセリングとの違いを教えてください

精神科:落ち込み、不安、不眠などの抑うつ的な症状や、幻覚、幻聴などの精神症状がある時
心療内科:眠れない、食欲がない、吐き気がするなどの体の症状があるとき。性交痛が原因でうつ症状があると思っている方。
心理カウンセリング:体に原因はなく心因性だと自分で分かっている人、または婦人科や上記の科で、心理カウンセリングをすすめられた場合

カウンセラーの探し方

まずはネットで、キーワード「性交痛 カウンセリング 東京(通える地域)」で検索してみてください。
カウンセラーは経験年数が長く、性交痛以外にも幅広い主訴(症状)を扱っていることがポイントです。セックスの悩みはセックスだけに留まらないことが多いですから、それ以外の分野にも知見があるカウンセラーのほうがいいと考えられます。
性に関することは相手との関係性が重要。可能であればパートナーも一緒にカウンセリングを受けることをおすすめします。とはいえ「最初はひとりで行きたい」「まだパートナーに話せない」という人は無理する必要はありません。

話すときのポイント

カウンセリングの多くは、1回50分~60分に設定されています。これは長いようで、話し出すと短いもの。初回は経緯を話すことになるため、途中で時間切れになることもあります。事前に経緯を時系列に書き出し、それに沿って話すのがいいでしょう。有効に時間を使え、カウンセラーにも伝わりやすいです。

何を話すか、話さないでおくかはあなたの自由。
でも、ありのままに伝えた方が改善に結びつきやすいのは言うまでもありません。
例えば、「夫とセックスしたくない」という相談で、実は他に好きな人がいるのにそれを隠している場合。
その人に気持ちが向いているために、夫とのスキンシップに嫌悪感があると考えられるため、夫との関係改善だけの問題ではなくなります。それなのに、他に好きな人がいることを隠してカウンセリングを受けてしまうと、この結果に辿り着けないことになってしまいますよね。

カウンセラーに何を聞かれるのか

基本的にはカウンセラーは聞き役で、あなたの話に耳を傾けます。ただ、話のつながりが見えにくい、聞いておきたい基礎的な情報が出てこないなどの場合はカウンセラーから質問することも。特に性に関する相談では話しづらいことが多いため、カウンセラーは比較的積極的に質問を投げかけることが多くなります。
セックスのこと以外に、あなたやパートナーの下半身に関する質問もでるでしょう。カウンセリングでは重要なことなので、あらかじめ心の準備も必要です。

カウンセリングの回数

人それぞれなので一概に言うのは難しいのですが、数回~15回くらいが目安でしょうか。
(カウンセリングで「短期療法」という場合は、10~15回程度を指すことが多いようです)。

生育歴に関わっていたり、根底にある問題がセックスを超えて生き方全体になる場合は数十回になること考えられます。その場合は、もう単にセックスだけが問題のセックスカウンセリングとは言えなくなるかもしれません。
また、テクニックが原因の場合もあるでしょう。その場合、カップルが協力関係にある場合は、1度のカウンセリングで終わることもあります。

プライベートなこと、秘密は守られるのでしょうか

他人に話しにくいこともあると思いますが、カウンセラーは守秘義務があり相談室内で話したことが漏れることはありません。信頼して話していただきたいと思います。

プライベートなことは話したくない場合

前述したように、あまりになにもかもを秘密にされると、アドバイスも的を得ないものになってしまう恐れが。できれば真実を話していただきたいと思います。
とはいえ、初対面でいきなり赤裸々にすべてを話せないのは当然のこと。
でもそこは通常の人間関係と同じ。慣れてくれば親近感がわき、信頼関係ができて話をしやすくなると思います。
1回目のカウンセリングで「すべて話さなくては」と気負わなくても、大丈夫。
「いまはまだちょっとうまく話せません」と正直な気持ちを打ち明けるのもいいと思います。

人間同士の相性ですから、担当カウンセラーとどうしてもあわないということはあると思います。何度会っても話しにくい、と感じるなら別の相談所を試してみるのもいいと思います。

監修:公認心理師 潮 英子

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ふあんふりー編集部
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