セックスが怖い(気持ち編)

この記事のポイント
  • 「セックスが怖い」と考える人は、心の中にセックスを受け入れられない原因があることも。
  • 恐怖心や罪悪感など、原因はいくつかある。
  • 性交痛の原因は心の問題かもしれないと思ったら、カウンセリングを受けるという方法も。
「セックスが怖い」 そう感じる人は、性を専門とするカウンセラーと話をしてみるというのも、解決策のひとつになるかと思います。 性交痛の原因を探るカウンセリングでは、主に次のような質問をします。
  • 腟口の形状
  • パートナーのテクニック
  • 男性器が大きすぎる
  • 婦人科系疾患
上記のどれにも該当しなかった場合は、心理要因、つまりメンタルが関わっていると考えられます。

セックスを拒絶する要因を探してみよう

あなたの心の中にセックスを受け入れられない要因はないでしょうか。 たとえば……

恐怖心

セックス経験が浅い場合に多いのが「恐い」ということ。もともと恐がりの方は特に、「初体験はものすごく痛いもの」と思い込み、鋭い刃物で腟を切り裂かれるようなイメージを持っていることがあります。まだ男性器が腟に触れてもいないのに「痛い! 痛い!」と叫んで拒否された、と男性から聞いたこともあります。 恐怖心を克服するには「自分の身体をよく知り馴染んでいく」ことしかありません。そのためのトレーニングは、自己観察法やマスターベーション法になります。 自分なりのリラックス法を見つけ、落ち着いた状態で自分の指で腟に触れていく練習を少しずつしていくのです。筋トレと同じで時間はかかりますが、練習することによって確実に慣れていけるのであきらめずに試してみてください。

過緊張

緊張しやすい人は、挿入を意識するとつい全身に力が入って強張ってしまいます。そうすると自然に腟もぎゅっと締まって、ますます入れにくくなってしまうという悪循環になります。 こういう方は、腟トレーニングをして腟を締めたり緩めたりするタイミングがつかめるようになると、いざ挿入という時に腟回りの力を抜くことができるようになります。

罪悪感

性に対して厳格な家庭に育った女性に多いようです。 子どもの頃TVでラブシーンが出てくるだけで母親がチャンネルを変えていた。 中学生の時に好きな男の子と一緒に下校するところを親に見られて「色気づいて情けない!」と怒られた。 母親がしょっちゅう「女の人生なんていいことがない。あなたは結婚なんてしないでいいから仕事をがんばりなさい。子どもができたらおしまいだから体を狙ってくる男には気をつけるのよ」と女性性を否定するようなことばかり言っていた、など。 妊娠する身体をもっている女性であることを否定するような言動にさらされて育った方は、無意識にセックスする自分を恥ずかしい、汚い、みっともないと感じていることがあります。 このようなケースでは親子関係を振り返りながら、自分の存在を認められるようになるまで時間をかけてカウンセリングを受けることになります。

過去の体験

初体験があまりに痛くてそれ以後セックスができなくなった、過去に性暴力にあった……。そんな辛い経験でセックスへの嫌悪感を持ってしまうことがあります。 性暴力のトラウマは特に強固なものと思われるため、トラウマ治療専門の精神科医を受診するとよいでしょう。

対処法

「私の性交痛は、もしかして心の問題かな?」
そんな風に感じるようでしたら、ぜひ一度カウンセリングを受けていただきたいと思います。

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性の健康一言メモ
性の健康一言メモ

自分の性の在り方から離れて生きられる人はいません。性の在り方はその人を形作るもののひとつです。生まれつき持っているもの、生まれてからこれまでに経験してきたもの、身に着けてきたもの。そういうひとつひとつが今のあなたを形作って、唯一無二の大事な存在であるあなたがここにいます。だからこそ、自分は何が好きか、何が嫌か、誰とどう生きていきたいのか、その人とどういうセックスをしたいのか、自分の本心を確かめてみてください。他者とのコミュニケーションは、自分のことをどれだけ分かっているかによって豊かさが変わります。セックスも大事なコミュニケーションであり、パートナーとのセックスの前に自分の本心が分かっているといいと思います。

監修:潮英子・公認心理師
こぐまカウンセリング・アソシエーション代表
著書「女性カウンセラーが教える50代からのhow to SEX」(光文社)性行為に対して不安や恐怖、ネガティブな気持ちがある方に向けて、改善の糸口となるような情報をお伝えしていきます

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