性的に興奮した時に起こる、勃起する(男性)、性器が濡れる(女性)という一見単純な現象。
実はこういう勃つ、濡れるという現象にも、少しばかり奥の深い段階的な仕組みがあります。その仕組みが分かっていれば、「痛いタイミングなのに無理して挿入してしまう」ということを防げます。性交痛に悩むカップルの多くはこの仕組みを知らず、「いま入れたらまだ痛いのに」という早すぎる段階で挿入をしているようです。逆に、この仕組みに従って上手に性行動できているカップルはオルガズム(文献によっては「オーガズム」と表記するものもある)が得られやすく、お互いの満足感も高いものとなっています。
この仕組みのことを「性反応」と言います。ふあんふりーには「性反応」という言葉が複数回登場しています。セックスの基本中の基本知識といってもいいくらいです。この記事で改めて詳しく紹介します。
性反応とは、心や身体に起こる変化のこと
「性反応」は、性的な刺激を受けた時にその人の身体や心に起こる変化のことを言います。勃起する(男性)、性器が濡れる(女性)のほかにも、心臓の鼓動が早くなるなど、色々な変化が起こります。
では、どんな刺激を受けるとそのような変化が起こるのでしょうか?それは、人それぞれ。例えば、耳の裏がゾクゾクと感じる人もいれば、単にくすぐったくてつまらない人もいます。また触れる圧力も、触れるか触れていないかの圧力なのか、しっかり撫でるように触れるのか、好みには個人差があります。また自分では何が好みかわからないこともあります。どこがどう気持ちよく感じるかは人それぞれ。お互いに確認しあわなければ分かりません。
嫌いなことも必ず伝え合うことも忘れずに。
視覚:裸、下着、好みの衣服など
触覚:触れられる場所、圧、速度など
聴覚:会話の有無、声の大きさなど
性反応は4つの段階に分かれている
人間の性反応は、興奮期→高原期→オルガズム期→消退期という4つの段階に分かれています。
興奮期
身体的または心理的な性的刺激をうけ性的興奮が起き、性器が充血を起こすタイミング。
勃起している&濡れているから、もう挿入OK!と思いがちですが、このタイミングでは挿入はもう少し待ってください。
セックスを開始して心身が高ぶり始めた段階。性器が濡れていてもまだ女性側の身体は挿入を受け入れる準備ができておらず、痛みを感じやすいので要注意。
ふれあう性的刺激が何度も繰り返されることにより、性的興奮が強化していきます。
「前戯を丁寧に」は、言い換えると性的刺激を何度も繰り返して高原期に移動できるように準備せよという意味なのです。
高原期
いよいよ、挿入段階。
この段階にたどり着くには、個人差はあるものの、適切な刺激がないと少し時間がかかると思っておいてほしいです。お互いの呼吸数、心拍数、血圧があがり、性器も挿入できる準備が整います。
この段階で男性は、カウパー腺が数滴分泌されます。
オルガズム期
性的興奮が絶頂に達し、快感を得る期です(俗に「イク」と表現されるタイミングです)。0.8秒間隔で性器が収縮し、呼吸数、心拍、血圧が上昇します。発汗、皮膚の紅潮、けいれんなどの様々な反応が起きます。
男性はオルガズム期に達することで射精に至ります。
女性のオルガズムには様々なバリエーションがあり、オルガズム期に達したのか分かりづらい人から強い快感を伴う人まで、どういった性反応を経験するかに個人差があります。人から聞いた話やフィクションに描かれている感じと違うからといって変だということはありません。自分が経験したことを大切にしてください。
回復期/消退期
オルガズムまでの興奮状態から、平常の状態へ戻る期。
膨らんだ性器はもとの大きさに戻り、増加した心拍数や呼吸数が落ち着き、汗も引いていきます。
今日からできることまとめ
自分の好みを知る
- 性的刺激を感じる好みを深堀する
- 嫌なこともリストアップする
セルフプレジャー(マスターベーション)を通してこうした発見をすることもあります。
ふたりで伝え合う
- 自分の好み、好きなこと、したいことを、否定せず話し合う
いざ実践
- 話し合って合意できたことを興奮期に試す
- 途中で何度もお互いに「気持ちいいか?」「痛くないか?」を確認し合う
- 痛かったら無理をせず途中で一旦止まる
何度も性的な興奮を経験し高原期へ向けて高まっていけるといいです。
そのためには安心できていることが必要です。確認し合う、無理をしないという姿勢が安心につながります。
まとめ
セックスは二人でするもの、作り上げていくもの。女性が男性に任せる、男性が女性をリードするものでもないのです。お互いの好き嫌いを理解し、確認し合って、自分たちの好みにあったふれあいを楽しみながら、性反応に沿って行うと、痛みが起きにくいだけでなく、満足度の高いセックスができるようになります。
・セックスとは