【お悩みに答えます!Vol.2】挿入されると痛くて最後までできない

前回の記事に引き続き、みなさんから投稿してもらったお悩みに答えます。

皆さんの痛みと症状が似ていれば、回答を参考にしてみてください。また、一度も婦人科で検査を受けてない方は、何よりもまずは受診してみて下さい。

今日のご相談

性行為中に彼のものが入ってくるとき痛みを感じ、頑張ってるのですが1回もやりおえたことがないです。どうすれば改善できるのでしょうか。(20代女性)

お答え

公認心理師の潮英子さんに聞いてみました。

挿入時の痛みには様々な原因がある

痛みがあるのに毎回頑張ってきたなんて、とても我慢強いのですね。でもこれ以上1人で頑張らないでください。「1回もやりおえたことがない」ということは、挿入はできるがすぐに痛くなって中断しているという状況でしょうか?考えられる原因として、「体」「セックスのテクニック」「不安感」があると思います。体やテクニック面では、こんな原因が考えられます。①うるおい不足、②腟とペニスのサイズが合わない、③腟の形状と挿入角度が合わない、④婦人科系疾患がある。①の場合は潤滑剤を使うことで改善できます。②や③の場合は、挿入角度や体位の工夫が大切になります。またサイズの大きい男性が装着するグッズの使用もおススメです。腟の奥の方が痛いのであれば④の可能性があります。婦人科を受診してみてください。

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身体の構造やセックスのテクニックの問題で挿入時に痛みが出ることがこんなにも色々あるんですね。また、公認心理師でいらっしゃる潮さんの専門分野、心理面からも色々なことが言えると思いますのでそちらも教えて下さい。

ご相談者さんは彼が大好きですか?彼とのセックスを楽しめていますか?彼には何でも相談できて、話し合いで解決してきましたか?こんな質問をしたのは、性交痛にはこころが深く関係しているからです。彼に対して不信感や不満があったり、彼に気を遣って痛みを伝えられないでいるとしたら、2人の関係性に問題があるのかもしれません。彼とはうまくいっているけど挿入だけができないという場合は、恐怖心や不安感が強くなっていることが考えられます。

初めてのセックスでの挿入がとても恐くて痛かったら、次の回でも不安になるのは当然です。またあんな痛みがあるのは嫌だな…と緊張しながら彼を迎え入れるのでは、脳の興奮が冷めてしまうし、体が固くなることで腟もキュッと締まりがちです。それが痛みを誘発し「やっぱり痛い」となる。そして恐怖や不安がますます大きくなる、という悪循環が起きるのです。

性交痛と心理的な理由というのが直感的に結びつかない人もいるかもしれませんが、そんなにも深い関係があるのですね。この心理的な理由による性交痛にはどうやって対応すればいいのでしょうか?

心理的な理由による痛みにはリラックスが効果的

これを断ち切るには、安心してセックスできる環境づくりをすることです。

  • セックス前には入浴で体を温め性器回りも緩ませておく。
  • 照明やアロマを好みのものにしリラックスできるようにする。
  • 彼に痛みの状況をきちんと伝えて理解してもらう。
  • 潤滑剤選びや挿入時の体位の工夫など、2人で話し合っておく。
  • 挿入時にどうしても痛かったら、「今日はやめて」という意志を表すサイン(肩を叩くなど)を決めておく。
  • 挿入直後は痛みを感じやすいので、女性が「もう大丈夫」と伝えるまでは彼に動かないでもらう。

ふたりでこのように協力して準備を整えておけば不安を感じなくなります。男性が女性の痛みを理解するのは難しい面もありますが、彼にちゃんと理解してもらい、ふたりで工夫を積み重ねていく、そのコミュニケーションの過程があればきっと痛みを改善できると思います。

今回は心理的な理由による性交痛について、公認心理師の潮英子さんにお聞きしました。心理的な理由と性交痛が直感的に結びつかないこともあるかもしれませんが、そこには確かに関係があるようです。相談を寄せていただいた方や似た症状に悩む方の参考になれば嬉しいです。
お悩みの相談はこちらからどうぞ。

監修:公認心理師 潮 英子