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十人十色の性器の形状が性交痛の原因に!?
人の顔や身体つきは、10人いれば10人とも異なるもの。まったく同じ見た目、形というようなことはありませんよね。
それは性器も同じことなのです。
見た目や形など、ひとりひとりが異なっていて当たり前。
ただ、先天的な構造によって、セックスしたときに痛みを伴ってしまう人が、中にはいます。
初めてセックスするその時まで自覚症状がない場合があり、セックスして初めて「ずっとセックスが痛いけど、なぜ……?」「私の身体、どこか変なの?」と悩んでしまう場合があるようです。
性交痛を引き起こす性器の構造
ここから先は専門用語もあり少し難しく感じるかもしれませんが、先天的な構造の例をまとめてみました。
読んでみて「あ、これは私のことかもしれないな」と思い当たるようでしたら、医療機関に相談してください。手術で治るものもあります。
処女膜強靭症(しょじょまくきょうじんしょう)
処女膜閉鎖症(しょじょまくへいさしょう)
処女膜は、腟を覆っているベールのようにイメージしている方も多いですが、
正確には、よく伸びる薄い粘膜で、中央にひだ状の開口部を持っています。
薄くて伸びる真ん中に穴が開いた腟口の近くに位置する薄いヒダ、と言えばイメージしてもらいやすいでしょうか。
通常は、最初のセックスで薄い粘膜が簡単に破れ、それ以降は痛みを感じなくなります。
しかし、その粘膜が生まれつき分厚く、開口部が伸びにくい構造である場合を、処女膜強靭症。開口部が極端に「狭い」もしくは「閉じている」状態を、処女膜閉鎖症といいます。
強靭症・閉鎖症いずれも、膜(粘膜ヒダ)が破れないため、セックスのたびに強い痛みが起きてしまうのです。
処女膜強靭症・処女膜閉鎖症は、手術で切開する治療が可能です。
初体験の強烈な痛みとトラウマ、もしくは初体験から性交時の度に受ける強い痛みを経験したことで、セックスに対し恐怖を感じる人もいるようです。この場合、外科的な手術が終わった後も、痛みの恐怖から解放されるようにこころのケアが必要になる場合もあります。こころの痛みも面倒と思わず治療を考えてください。
処女膜については、こちら「処女膜について理解しよう」でも詳しく解説しています。
腟中隔(ちつちゅうかく)
胎児のときに臓器が形成される過程で腟内に隔壁が残ってしまうことがあり、まれに子宮や腟が2つ存在することも。症例は様々なので、ここでは紹介できませんが、性交時に痛みを起こすケースとしては、腟の中に中隔壁というものが残ってしまうことがあり、これが原因で性交痛が起きることがあります。その場合は、手術で中壁を除去することができます。
陰部癒着(いんぶゆちゃく)/陰唇癒合(いんしんゆごう)
新生児~乳幼児と老年期に多くみられる症状で、主に左右の小陰唇が腟前庭部という部分を炎症によって覆ってしまう癒着状態をいいます。症状により外来の切開手術や軟膏で治癒します。中には炎症とは別で、副腎性器症候群といった先天的なものもあり、手術適応となる症例もあります。
腟欠損(ちつけっそん)
腟欠損は、生まれつき、腟全部もしくは一部がないこといいます。内臓なので自分で目視できないため、わかりづらいのですがサインとして多いケースは、思春期が訪れても生理が起きないこと。
卵巣は正常に働いていると女性ホルモンは分泌され排卵も起こるのですが、腟がないので生理の出血がなく、婦人科にかかり気がつくことが多いようです。
腟の一部が欠損しているので、性交時に強い痛みを感じる人が多くいます。
小陰唇肥大(しょういんしんひだい)
外陰部のサイズにも、個人差があります。あまり気にしすぎることはありませんが、サイズが大きすぎて自転車に乗りづらい、締め付けの強いジーンズを履くとこすれて不快感があるなどの症状を抱えている人もいます。
ラブライフアドバイザーOliviAさんによると「性交時は、男性パートナーが陰茎の挿入時に小陰唇を一緒に巻きこんでしまうことがあり、それが原因で痛みが生じることも。意外に男女両者共気がつかないこともあります。挿入するときに、小陰唇を巻き込まないように手で抑えておくと防止になります」とのこと。
小陰唇は継続した刺激を与えると性器を守ろうと大きくなる傾向にあるので、締め付けのある服装や固いサドルの自転車などで刺激を与えないように、日常生活で注意が必要です。
生活に支障がある場合は、大きい部分を切除する手術があります。気になる人は婦人科、婦人科形成の受診を。
パートナーのセックス方法に問題がない
性に関してネガティブな感情など精神的な問題がない