毎年9月4日は「性の健康」を改めて考えて推進する日

毎年9月4日は「性の健康」を改めて考えて推進する日、世界性の健康デー

セックスで痛い体験をすると、自己肯定感を喪失したり、心まで傷ついてしまい前向きに治療し改善に向けて努力することが困難になることがあります。では、その状態を「健康を害している」と考えてみたらどうでしょうか。ほかの病気と同じように、ケアすることが大切と思えるのではないかと、ふあんふりーは考えています。

ふあんふりーがこのように性交時の痛みを健康問題と捉えるようになったのは「性の健康」という考え方に出会えたからでした。

実はその「性の健康」という考え方を推進する記念日があります。

それが「世界性の健康デー」。毎年9月4日です。

2010年から始まった世界性の健康デー。東京での記念イベントの開催に長年関わってきた、ふあんふりーでもお馴染みのLink-R・柳田正芳さんに「世界性の健康デー」について説明して頂きます。

「世界性の健康デー」との出会い

お話しする人・柳田正芳さんお話しする人・柳田正芳さん

僕が世界性の健康デーの記念イベントの運営に初めて携わったのは2012年だったのですが、その前の2年間は、ふあんふりーの医療総監修でもおなじみの早乙女智子先生が中心となってイベントを企画運営されていました。

2011年に開催された第2回のイベントに一般参加者として参加させてもらった際、「このイベントは日本にとって物凄く重要なものになるはずだ。運営に携わりたい」と思ったんです。その時はまだ早乙女先生とも過去に1回お会いしたことがある程度だったのですが、その場ですぐに「来年は一緒にイベント運営をやらせてください!」と直談判して、仲間に入れてもらいました。

「世界性の健康デー」を提唱する「世界性の健康学会」

世界性の健康デーは2010年を第1回目として始まりました。毎年9月4日が世界性の健康デーの当日になります。始めたのは「世界性の健康学会」という国際組織です。

編集部メモ

世界性の健康学会。正式名称はWorld Association for Sexual Healthで、その頭文字を取ってWAS(ワス)。「人間の性」に関して科学的に研究している研究者や団体が集まって結成されたもので、「人間の性」の分野の学術組織としては世界最大になります。1978年に結成されて以来40年以上の歴史があります。

早乙女先生はWASの学術委員としても活動していますし、僕も2012年から2019年までWASの公式委員会のひとつYOUTH INITIATIVE(ユースイニシアティブ/若者委員会)のメンバーでした。性の健康デーに携わったことがきっかけでこの委員会のメンバーになりました。また、2019年に採択された「セクシュアル・プレジャー宣言」の公式邦訳のチームにも関わりました。

「世界性の健康デー」の歩み

2010年以来、毎年9月4日が「世界性の健康デー」です。その記念イベントが世界各国の都市で9月4日の前後に開催されます。毎年WASから世界共通テーマが発表されて、そのテーマに沿って記念イベントが企画されます。

例えば毎年12月1日は世界エイズデーですが、日本でも当日やその前後の週末などに何らかのイベントが企画されることがありますよね。それと似ていると思います。違う点があるとすれば、世界性の健康デーでは世界共通テーマが毎年発表されることです。

テーマは例えば、2010年の「Let’s talk about it!(世代を超えて性を語ろう!)」や、2019年の「Sexuality Education for all: a bridge to sexual health(性の健康への架け橋:あらゆる人に性教育を!)」など、その年のホットトピックが設定されることが多かったと感じています。

各国・各都市に住んでいるWAS会員さんが、様々に趣向を凝らした催しを企画するんです。例えば北欧のある都市では公民館のような場所を使ってスピーチコンテストが行われたり、ニューヨークでは「好きなメッセージパネルと一緒にセルフィ―(自撮り)を撮ってSNSにあげよう!」(※メッセージパネルは「性の権利宣言」という文書の中に書かれている宣言を書いたものが16種類用意されました)というストリートキャンペーンをやったりと、これまでの10年間に本当に色々な企画がありました。

東京でのイベントの歩み

東京でも2010年から毎年、「世界性の健康デー 東京大会」として記念イベントを行ってきました。

例えば僕が初めて運営に携わった2012年は、複数のフロアを借りて、1階の受付スペースではポスター展、2階の大ホールでは「シンポジウム」や「トークセッション」などの講演企画、3階では性の健康に関する活動をしている団体の企画出展を同時開催して、「文化祭」テイストのイベントを展開したことがありました。この年は150名以上の参加者が来て下さり立ち見が出たセッションもありました。

参加者は性教育の活動をしている活動家や専門職の方が多いですね。活動している人以外にも様々なバックグラウンドを持っている人がいて、「性の健康」への理解が深まる機会になったと思います。「性の健康」という概念に馴染みのない医療者さんが参加してくれたこともあって、「性の健康」という言葉自体やその意味を理解して、知識が拡がり意識が変わっていった方もいたのではないかと思います。

意外に思うかもしれませんが、医療者の養成課程で「性の健康」について学ぶ機会は限られているので、馴染みのない方もいます。イベントは一般の方が来て楽しく学んでくれる機会になるように企画していますが、医療者などの専門職の方にとっても学びの場になったらいいなと思っています。

「性の健康」が推進されると

性交時に痛い思いをすることはQOLの低下に大きく関わります。命に関わらないために理解や治療法、科学的なケアの方法の確立が進まないのは、当事者には大きなマイナスです。だから、性交時の痛みを抱えた人にとって、医療者が「性交時の痛みは健康問題」と考えて医療に臨んでくれることはとても重要になると思っています。「性の健康」という考え方が広がることでこの現状が変わっていくのではないかと思います。「世界性の健康デー」がその普及・推進に大きな役割を担えたらと思い、毎年記念イベントを開催しています。

ふりーちゃんからの感想

柳田さん、この記念日についてと活動の沿革をお聞かせ頂きありがとうございました。

当事者もサポートする側も、両者に性の健康という考え方が広がると、ケアも進化する可能性があるということですね。

9月4日「世界性の健康デー」を、性にまつわる健康の意識を認識する日として、ふあんふりーも毎年この記念日を推進していきたいと思います。

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