投稿者:40代女性
40代の女性から経験談が送られてきましたのでご紹介します。
経験談
こんにちは。
20代から30代にかけてずっと婚活をしてきました。
結婚して幸せな家庭を築くために、特定の男性とまずは「順調な交際」を始める事になると思うのですが、なぜか長い間「順調な交際」の中に「滞りなく行われる性行為」が含まれているようなイメージを持っていました。
つまり、セックスができないと結婚はできないと思い込んでいました。
Googleに「セックス できない」と、絶望ワードを打ち込んで検索しました。上位には男性向けの情報が挙がるものの、女性向けの誠実なサイトもいくつかあり、ネットサーフィンを始めてから20分くらいで自分自身が抱える悩みとほぼ一致する症状名を見つけました。
「手術を受ける事で痛みや挿入の恐怖を和らげることができるのなら」と、婦人科クリニックに相談し、手術を受けました。ある男性との別れから1か月くらいで手術するところまで一気にやりました。我ながら思い切った行動に出たと思いますが、その間に自分の思い込みやこれまでと向き合うことになりました。
向き合ったこと
●セックスできないと結婚やお付き合いはできないという思い込みがあった
●自分の身体なのに、自分の性器をちゃんと見たり確認したりしたことがなかった
●タンポンさえ入れる事ができず使っていなかったのに、性交はできると思っていた
●性交痛は長年のコンプレックスだったのに、誰かに打ち明けたりネットで検索することを思いつかなかった
●「性交痛」というワードすら知らず、ふあんふりーを見て初めて知った
●婦人科健診も痛すぎていつもキャンセルしていた(※「挿入」が最後までできたことがなかったので受けなくても大丈夫と思い込んでいた)
そもそも、「私はセックスがしたいのか」を自分自身に問うた事すらなかった事に愕然としました。求められたら応じるのが「彼女」としての務めのように思い込んでいました。ここで応じなければお付き合いが継続できない!婚約まであと一歩なのに!」という焦りもあったと思います。
自分と向き合ったことを通してフェミニズムや性教育に関心を持つようになって学んだことがあります。Fuan Freeからも沢山学びました。
●女性(自分)の体の仕組みをちゃんと理解する大切さ
●不調があったら婦人科に気軽に行っていい
●生理や性器、性行為の悩みは恥ずかしいことじゃない。相談できるところがある
●婚活や恋活には、「男らしさ」や「女らしさ」といったジェンダーの刷り込みがある
●性的同意(性交したくなかったら断って良い)の大切さ
●そもそも性的欲求のない人(アセクシャルの人)もいる
人生のもっと早い段階で性の知識を身につけていたら、婚活に躍起になる必要も、挿入に絶望と恐怖を感じることも、身体だけ目的の男性と接触することも無かったのではないか、と感じました。
今は婚活に時間とお金を使うことはほとんど無く、趣味を通して、男女・年齢関係なく友好関係を広げることを、ゆるく楽しんでいます。
また、手術を受けたことでタンポンが使えるようになり、今更ながらタンポンの便利さに感動しています。婦人科健診も怖くなくなりました。むしろバリウムのほうが嫌です。
FuanFreeに書かれている性交痛の事例や経験談、専門家のコラムに大変救われました。そういう私の経験も誰かの共感や気づきになればと思います。
編集部から
挿入や性交に課題があって処女膜の手術を受けられた投稿者さんの経験談をシェアさせていただきました。
投稿者さんの自分らしい生き方を見つけるためのストーリーが非常に元気をもらえました。
文中の「人生のもっと早い段階で性の知識を身につけていたら、…」という部分から、私たちが私たちらしく幸せに生きるためには、性の知識(包括的セクシュアリティ教育)が重要と理解できます。当事者側からの経験談として聞けて、とてもわかりやすいですね。
性の規範に関連する社会や文化の影響が、私たちの人生にどのような影響を与えるかを考えると、投稿者さんが自分自身を見つけることはより大変だったことがわかります。
投稿者さん、貴重な経験談をシェアしてくださり、ありがとうございました。
みなさんの経験談やサイトへの感想もお待ちしております。投稿はこちらのフォームにて受け付けております。
10年以上の婚活の中で経験したこと
●繰り返し挿入に失敗し、何度目かで相手と連絡が取れなくなる
●ある男性に「性生活は僕にとって譲れない事だから、挿入できないのであれば別れたい」と明言され、一方的に振られる
⇒こうした経験を繰り返し、「セックスできないと男性と交際できない」という思いが強化される