【お悩みに答えます!Vol.1】奥が痛い・バックが痛い・翌日まで痛い

ふあんふりーを開設して、ちょうど3カ月が経過します。多くの皆様にサイトを訪れて頂き嬉しく思う一方で、皆さんの痛みの解決になっているかな?と気がかりでもあります。
そこで今回は、投稿フォームを通じて、皆様から頂きましたお悩み投稿をいくつかピックアップしてお答えしたいと思います。

皆さんの痛みと似た質問があれば、回答を参考にしてみてください。また、一度も婦人科で検査を受けてない方は、こちらの病院の探し方を参考にして、受診してみて下さい。

痛みの部位ランキング

投稿された痛みの場所の割合を円グラフにしてみました。
奥の痛み、入り口付近の痛みで悩む方が多いことがわかります。

投稿された痛みの場所

今回のご相談①

最近、バックの時や奥まで当てられる時に痛みを感じるようになりました。以前病院で診てもらった際には腟内に問題はないとのことでしたが、最近そのような痛みを感じることが多く不安です。自分が性行為に慣れていないことが原因なのか、病気などが原因なのか分かりません。慣れれば痛みはなくなるものなのでしょうか?(20代女性)

似た質問
  • 性行為時に、奥の方が痛みます。女性にはみんなあるのか、それとも一度産婦人科を受診するべきなのかわかりません。(20代女性)
  • 彼女の性交時の痛みについてご相談です。端的に表すと変に奥まで挿入されると「広げられるような」感覚で痛みがある時がある、終わってしばらくするとお腹が痛い、そこから長いと2~3日鈍痛に悩まされる、病院でみてもらったけど性器には異常はない、と悩んでいます。(20代男性)

お答え

「奥が痛む」、「バックの時に痛む」という質問を複数頂いています。

まず、「奥が痛む」というご相談について、ふあんふりーがこれまでに記事にまとめてきた内容をもとに考えてみたいと思います。

奥が痛む背景には、男性が「女性は奥が気持ちいい」という誤った情報を信じ、頑張って奥まで挿入してしまうこともあるようです。また、挿入のタイミングが早すぎると女性側の性器の準備ができていないこともあります。体の性反応を正しく理解することが大切です。性反応から知るセックスの基本に詳しく載っています。

婦人科疾患・がんの記事などでも取り上げましたが、「痛い」は、病気を教えてくれる大事なサインのこともあります。婦人科の診察を受けたことがない方は、一度受診をして子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系疾患がないか診てもらうことをおすすめします。婦人科の診察で問題がなければ、浅く挿入できる体位を参考に体位の工夫をしてみてください。パートナーに奥は「気持ち良くない」「痛い」ときちんと伝えることも大切です。

また、バックの時の痛みについて、ふあんふりーの監修者であり体位に詳しいOliviAさんに聞いてみました。

OliviA

女性側の性器の構造に問題がないのにバックや奥まで深く入る体位で痛みが出る場合には、①男性のピストン運動が激しい、②挿入時間が長い、といった原因が考えられます。①の場合、ピストン運動が激しい男性は、そのほうが女性も気持ちいいと勘違いしていることがあります。「あまり激しくされると、その時は気持ちいいんだけど、後からお腹が痛くなっちゃうの」「私はじっと繋がっているだけでも十分気持ちいいから、途中で動かない休憩時間を作って欲しい」など、細かくリクエストを伝えるとパートナーも工夫がしやすくなります。②の場合、挿入時間を短縮する工夫が有効です。挿入前に男性器を愛撫して射精の直前まで導いてから挿入します。女性が射精の橋渡し役になるので、ブリッジ法と言います。また、こうした工夫に関わらず痛みを感じやすい体位があるならば、パートナーに伝え避けるようにしてください。

今回のご相談②

わたしは現在26歳ですが、長年性交痛に悩んでいます。全く濡れない訳でもなく、挿入もできるのにいつも入り口近くに激痛を感じ、終わるころには入り口がヒリヒリ痛く、翌日まで引きずります。婦人科に行った際に『菌が多いかも』、『子宮口が他の人よりも近い』などと言われましたがそれのせいなのか…?と疑問です。他の人は気持ちいいと言うけど、何故自分はダメなのか?悩むばかりです。

お答え

産婦人科専門医であり、ふあんふりー医療総監修の早乙女智子先生に聞いてみました。

早乙女

診察してみないと正確なことは言えないですが、口角炎(唇の左右が切れる)が癖になって繰り返し起こるのと同じように、当該の場所が切れやすくなってしまっているのかもしれません。他の部分が伸びるはずですが、伸びる前に圧がかかると切れてしまいます。激痛はその痛みの可能性があります。

クリトリスへのソフトタッチの刺激や、指の腟内挿入などでオーガズムの感覚をふたりでつかんでください。イッた後ならペニスを挿入しても大丈夫かもしれません。「また痛いかも」と思うだけで濡れにくく性反応が十分に起こらないので、リラックスしてください。

腟の入り口も腟壁も子宮も、出産という大仕事に堪えうる機能を備えているので基本的には治癒しやすい場所なのですが、どうしても切れ癖が付いた場所がある場合に、その部分を切除して縫い直して治ったケースもあります。

今回は複数似た相談が寄せられた、「奥が痛む」、「バックの時に痛む」というお悩みと、翌日までひきずるほどの痛みが出て悩んでいるというお悩みをご紹介しました。相談を寄せていただいたみなさんや似た症状に悩む方の参考になれば嬉しいです。
お悩みの相談はこちらからどうぞ。

回答・監修:産婦人科医 早乙女 智子 ・ ラブライフアドバイザーOliviA