潤滑剤(ゼリー)は、潤いを補うだけでなく、プレジャーを高めるためにも活用されています。健やかな性生活をおくるためには、痛みを我慢しないことも大切です。潤滑剤は乾きを感じたら、途中からでも使ってかまいません。
また、性交時のうるおいには女性ホルモン(エストロゲン)が関係しており、産後や薬の影響で分泌が減ることもあります。詳しくは以下の記事でご紹介しています。
さて本題の潤滑剤を選ぶときに知っておきたい、種類やポイント、そして注意点などを、ふあんふりーの視点で挙げていきます。
意外に知られていないアダルトローションと潤滑剤の違い
男性がマスターベーションの時や、ボディ上でヌメリを楽しむ時に使うアダルトローション。潤い不足のときに間違って使うと、かえって乾燥を招き、腟炎などのトラブルに繋がることがあります。
潤滑剤もアダルトローション(ラブローションとも最近呼ばれている)もどちらも、性的なことに使う透明な液体なので、同じ棚やカテゴリで販売されていることが多くあります。しかし、見た目は似ていても違う成分、違う目的の商品。注意が必要です。
アダルトローションは、ポリアクリル酸ナトリウムという成分がベースのものが主流。ヌルヌル感をボディ上で楽しむ、マスターベーション用のグッズとして人気です。
アダルトローションとローションの違い(図)
見た目は似ている
透明色・ネバネバ・同じ売り場にある

特徴は、粘度が高く、糸を引いたり、ボトルを逆さにしても、液体がポタポタと落ちてこないほど粘り気が強いこと。潤滑剤としては不向きのものがほとんどです。また潤滑剤と比較すると乾きやすく、水分が蒸発するとポロポロと消しゴムのカスのような感じになります。ボディ上で遊ぶにはとても楽しいツールですが、挿入の時は潤滑剤を使うように心がけてください。
成分の記載はだいたい含有量が多い順番に記載されています。潤い不足のために購入する時は成分を確認して、先頭の方にポリアクリル酸ナトリウムが書かれていないものを選びましょう。
滑りの段階別にベースの種類が異なる
潤滑剤には滑りの段階別に3つのベースの種類があります。
一般的に多く出回っているのは水を含む「ウォーターベース」と呼ばれるものと、油っぽいけどサラサラで滑りが良い「シリコンベース」と、水とシリコンを混合した「ハイブリッドベース」があります。

主流のウォーターベースの潤滑剤は、ベトつきも少なく、取り扱いが容易で十分に滑るものもあるため、人気です。また、質感によってソフトやハードなどの種類が分けられる潤滑剤もあります。粘度が高い=よく滑る ではありません。粘度が高いと乾きやすく、排出しづらいものがあるので注意。ゆるい液状でよく滑るものを選ぶこと。滑らせることが本来の目的なので、心地よさを失うことなく、しっかり滑るバランスの維持を得意とする潤滑剤専門メーカーのものを選ぶのもひとつの選択肢です。
各ベースの特徴



ウォーターベース:潤滑力が高く種類が豊富。さらっとして使いやすいが、乾きやすい場合もあります。
シリコンベース:持続性が高くよく滑ります。洗浄には石けんとお湯が必要です。シリコン製のグッズには使えません。
ハイブリッド:ウォーターベースの手軽さにシリコンの滑らかさを加えたタイプ。乾燥が強い方にも使いやすいです。
各タイプの潤滑剤を実際に選びたい方は👉「ストアの潤滑剤ラインナップを見る」をご覧ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 潤滑剤はどのタイプを選べばいいですか?
A. 初めてなら水溶性、長時間ならシリコンタイプがよく使われます。
Q2. コンドームと一緒に使えますか?
A. 水溶性やシリコン系の潤滑剤は、多くの商品でコンドームと併用できますが、製品によって異なりますので必ずパッケージの表示を確認してください。なお、オイル系の潤滑剤はコンドームを劣化・破損させる可能性があるため、使用を避けましょう。
Q3. ドラッグストアでも買えますか?
A. 買えますが種類は少なめ。ネットショップの方が選びやすいです。
Q4. 使用後は洗い流した方がいいですか?
A. 水溶性はお湯で落ちます。シリコンは石けんとお湯で洗浄してください。
Q5. 代用できるものはありますか?
A. 基本的に代用はできません。特にマッサージオイル、ベビーオイル、食用油などは避けてください。コンドームを傷める可能性があります。
Q6. 使用タイミングと量の目安は?
A. 濡れ不足を感じたら直前に使用してください。最初は少量から始め、必要に応じて調整しましょう。乾く場合は途中でつぎ足すこともできます。<br> 👉 詳しい使い方:「摩擦が原因?彼女がヒリヒリ痛む性交痛はどうすればいい!?」
使うときの注意点
どのメーカーの潤滑剤でも安全に使うために、以下の注意点を守りましょう。
- 使う前に手を石鹸洗浄
- 一度手に出した潤滑剤は容器に戻さない
- 腟など洗えない場所に使う場合は、つけすぎず適量に
- 開封後6か月を目安に使いきる、それを過ぎたら新しいものに
- 未開封でも消費期限(容器に記載がある場合)が過ぎていたら使わない
潤滑剤だけでは対処しづらい場合の原因とヒント
- 手荒なタッチや激しいピストン:女性は激しいセックスで傷つく
- 早すぎる挿入タイミング:性反応から知るセックスの基本
- あわない体位:プロに聞く!性交痛を回避する体位の工夫
- 緊張や不安などで性器がこわばり挿入しづらくなる:セックスが怖い、ボディコンプレックス、挿入されても最後までできない
- からだの構造や外陰部の炎症:構造的な症状、処女膜や腟前庭部の治療の話
まとめ
潤滑剤は、濡れや滑りをサポートしてくれる便利なアイテムです。ただ、濡れ不足ではなく痛みがある場合には、自己判断せず一度婦人科に相談すると安心です。また、病気や炎症といった不調がなくても、心配ごとや不安から性的に興奮しづらくなり、からだや性器がこわばって痛みにつながることもあります。原因がわかれば、より前向きに対策を考えられます。
セックスは「一緒に楽しむ時間」。ときには休むことも、解決の糸口を探すことも、すべて二人の関係を深める一歩になります。潤滑剤は、そのサポートの選択肢のひとつとして役立つことがあります。
この記事で触れた潤滑剤は、当サイトのオンラインストアでも取り扱っています。
