乳がん

乳がん

この記事のポイント

  • 乳がん治療中の身体とセックスの変化に戸惑ったなら、恥ずかしがらずに医師に相談を。
  • 化学療法とホルモン療法中は、エストロゲン分泌が減少することも。
  • 治療中はホットフラッシュや気分の落ち込みなど、更年期と同じような症状が出ることも。
  • ボディイメージの変化(※)から、性に消極的になることも。
    (※)自分の体形が変わってしまうことでネガティブな気持ちになること

乳がんの手術後は性生活に関してためらいがち

無事乳がん手術を乗り越え、放射線治療などの副作用と付き合いながら始まる新たな生活。
日々いろんなことに調整が必要で、術後の生活は馴染むまではほんとうに大変だと思います。

術後の自分の体や、治療にも少しずつ馴れてきた頃……性生活について考えることもあるかもしれません。

「もうセックスしても大丈夫かな?」
「先生に相談したほうがいいのかな?」
「治療中なのに、セックスの話をしたら、変だと思われるかな?」
外来診療という短い時間の中で、お医者さんや看護師さんに自分の性生活について相談することをためらう人は多いのではないでしょうか。

性生活に影響を及ぼす薬物療法がある

すでに皆さんは医療機関で説明を受けているかもしれませんが、ここでは性生活に影響を及ぼす薬物療法について触れていきたいと思います。
長く薬物療法と向き合わなければならないとしても、できるだけ不安を排除して性生活を楽しんでほしい――ふあんふりーはそう考えます。
そこで、医療機関では説明がされないような情報やアイテム、工夫次第で心地よく性生活を続けられるヒントをお伝えすることを考えました。

化学療法

化学療法、いわゆる抗がん剤治療では、薬剤によっては卵巣への作用が高く、卵巣機能を低下させることがあります。

卵巣機能が低下したサインは、月経が止まること。卵巣機能が低下すると、エストロゲンの分泌が抑制され、それが原因で性交痛が起きることがあります。
普段の生活でも、「おりものが少ない」「下着がこすれる」「生理直後の腟の中が乾いた感覚」など、乾燥からくる性器回りの違和感がある人もいます。

ホルモン療法

乳がん治療は「手術すればそこで治療が終わり」ということはまずありません。そこから新たな再発予防のための補助療法が始まります。
標準的な治療として、ホルモン受容体陽性の乳がんの場合は、術後5~10年間のホルモン療法を行います。
ホルモン療法で、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を抑制または産生を阻害してしまうと、ホットフラッシュなどの更年期と同じような症状が起こることがあります。
エストロゲンの分泌が抑制されてしまうと、腟の潤いが減少して腟壁の弾力が失われ、それが原因で性交時に痛みを感じる人も。もちろんこれらには個人差があり、さほど症状が出ない人もいます。
「更年期の年齢じゃないのに、更年期みたいな症状が出るのはどうして?」「ホルモン療法を始めたら、急にセックスが痛くなった」と、不安を感じたら、我慢をせずに医師に相談してみてくださいね。

化学療法中に用いると効果的なアイテム

性交時の痛み、医学的には性交疼痛といわれますが、これには潤滑剤や腟座薬などが効果的。
化学療法中で特に感染や出血など気をつけなければならない点は、以下になります。

  • 爪などで皮膚を傷つけない(市販の指用カバーを使用するという選択もあります)
  • 腟内を石鹼などで洗浄しない
  • 性感染症予防のため、コンドームを必ず使用する
  • 潤滑剤を使用する場合は、粘り強いアダルトローションではなく、粘度の低いサラサラしたタイプの潤滑剤を使うようにしましょう

セックスはふたりが楽しめれば何でもアリ

映画やドラマでみるようなセックスだけが、正しいわけではありません。
ふあんふりーは、カップルの数だけ、セックスのスタイルはあっていいと考えています。
挿入・射精だけがすべてではないし、挿入しなくてもグッズを活用したりしてオリジナルな楽しみ方ができればいいですよね。

(病気だからではなく、年齢や体の変化に会ったスタイルを作れるのです。こちらもご参照ください。コラム/挿入しなくていいセックス:グッズ活用編

術後や治療中のセックスにはパートナーとのコミュニケーションが欠かせない

また、治療中はホットフラッシュや気分の落ち込みなど、更年期と同じような症状がでる人も。また術後のボディイメージの変化もあり特に性交痛を感じなくても、性生活に消極的になる人もいます。
セックスしたい気分になれないときは、無理をしないことも大切。
「相手が望むから」「相手の気持ちにこたえたい」と、パートナーのためだけに頑張る必要はないと思います。あなたの身体と気持ちを大切にしてください。
まずは、パートナーに自分のこころと身体の状況を伝えることを始めてみませんか?
セックスはふたりで楽しむもの。不安に思うことや注意しなければいけないことは、パートナーに話して理解してもらうことが必要です。

また、挿入だけがセックスではありません。
パートナーと抱き合う、触れ合うだけでもいい。
それだけでも、セックスと言えるのではないでしょうか。

セックスは本来、豊かで懐の深いもの。そのカップルらしい楽しみ方ができればそれでいいのです。手で触れ合って満足する時間を楽しんでもいい、挿入のないセックスを楽しんでもいい、抱き合って眠ることで満足できるならそれでもいい…。何をするかよりも、満足できるかどうかが重要です。